幹の太さが目通り(根元から1メートル50センチほどの位置)で直径40センチ以上の樹は区の保護樹に指定され、年額5000円が支給される。
娘が区の広報紙にこの規定があるのを発見、手続きをした。
こんな言葉がある。
「コックはマヨネーズをかけて自分の失敗を隠す。
建築家はツタをからませて自分の失敗を隠す。
医者は土を盛って自分の失敗を隠す」。
植生というか、戸外の庭づくりに建築家は随分と自分の失敗を救われているものである。
ソマティックス(somatics)という言葉がある。
ふつう「生体」という意味で使われている。
このソマティックスを分けて、内的生体(endosomatics)と外的生体(exsosomatics)がある。
私たちが普段自分の身体として意識しているのは内的なほうのエンドウ・ソマティックスである。
人間の住まい、または鳥類の巣といったものも、エキソソマティックスである。
一本の木、からみついたツタが建築家の失敗を救うなら、これも立派にソマティックスとしての生体機能をはたしている。
すべての生体が森から生まれたとさえいわれる。
共存共栄の森の生活をそういう視点からもういちど考え直すべきだと思う。
夏はなぜ暑く、冬はなぜ寒いのか。
太陽の当たり方がちかっているからで、このことは子どもでも知っている。
冬の太陽は低いから、窓を太陽に向けると、部屋の奥深くまで日光が入ってくる。
ところが夏の太陽は高いので、軒があれば、日中は直射日光が室内に入ることはない。
だから夏の太陽をさえぎるには、軒を深く出しておけばよい。
夏の太陽は屋根の上からカンカン照りつけて、屋根の温度が90度にもなっていることがある。
冬の暖かさは、南に向いた窓から入ってくるが、夏の暑さは日中では屋根、午後になっては西の窓から入ってくる。
南向きの窓では、直射日光としてよりも、幅射熱として、熱せられた庭からも入ってくる。
「家の住みようは夏をむねとすべし」というのは、『徒然草』で吉田兼好が述べている。
冷房があれば、別にそれほど風通しなど気にしないでもよいという説もあるが、冷房の電力を節約するためには、すこしでも自然の力を借りたほうがよい。
冷房の涼しさよりも、自然の涼しさのほうが気持がよいのも、よく知られているとおりである。
そうだとすれば、家の住みようも、自然にさからわぬよう、電力を節約するよう、工夫をしたほうがよかろう。
前項にも書いたが緑陰の涼しいのは葉から水が蒸発しているからで、森は天然のクーラーである。
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